パラトライアスロン

2022皆生大会推薦選手レポート 円尾敦子さん

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3/26にホームページにて公募しました2022皆生大会HTA推薦選手枠で大会出場された円尾敦子さんからレポートが届きましたので、掲載いたします。円尾さん、お疲れ様でした! ぜひ来年もチャンレジしてください。


皆生トライアスロン大会参加報告

円尾 敦子(視覚障害)

第40回全日本トライアスロン皆生大会に、HTAのご推薦をいただいて出場してまいりました。素晴らしい機会を与えていただき、まことにありがとうございました。

私は弱視です。トライアスロンをするためには、ともに競技を行うガイドを必要とします。

2012年にトライアスロンを始め、以後はリオデジャネイロ2016、東京2020パラリンピック出場を目指して、主にパラトライアスロン(スプリント)でたたかってきました。皆様のお力添え、応援のおかげでパラリンピック2大会連続出場を果たすことができ、そこからは新たに「IRONMAN KONAにアジア視覚障害初出場」を目指しております。その夢をかなえる第一歩として、本大会に出場することにしました。

しかしながら、鳥取県の条例では、私がレースで使う二人乗りのタンデムバイクの公道が認められていなかったため、皆生大会への視覚障害の参加も認められていませんでした。今回私の出場は、この大会においても初めての経験となりました。

スプリントから距離が大幅に長くなることだけでなく、私が初出場であるとともにガイドも初めての経験となります。そのハードルの高さゆえ、ガイドを受けてくださる方がなかなか見つかりませんでした。

今回は、スイムとバイク、ランで2人の方に分けて担当していただくということで、地元米子の小原千絵さん、娘の絵梨さんにお受けいただくことができました。

当日の朝、会場に行ってしばらくすると「スイムはなし、デュアスロンに変更」とのアナウンスに、私はもちろんガイドの絵梨さんもランが苦手なのでがっかり。でも、コロナ禍での開催には安全第一、切り替えて準備をし直しました。が、準備もスプリントレースとは全く異なりとても複雑で、バイク用のトランジッションバッグに補給食を入れ忘れる大失敗をしました。

バイクに乗ってすぐ補給食を持っていないことに気づいたのですが、第一ランを控えめにしたこと、またつらい坂での応援にたくさんの力をいただき、予想以上のきついバイクコースを乗り越えて最後のランまでたどり着けました。ちなみに、タンデムバイクは2人分の重さがあるので登りはとてもきついです、が下りはその分スピードが出ます。

ランはひたすら海岸線を行くコースでしたが、頻繁にエイドがあったのでかなり助かりました。それでも折り返してからは吐き気との戦い、最後は水も飲めなくなってきましたが、絶対に視覚障害初完走をするという強い気持ちで前へ進んでいきました。

トラックではすでにレースを終えた方々が花道のように迎えてくれて、最終コーナーから夫、小原工さん、娘の結芽さんも待っていてくれたので同伴フィニッシュしてもらい、本当に幸せな締めくくりができました。

今までの強化指定選手の立場とは違って、プレッシャーのない中でどこまでがんばれるか不安でしたが、初めてのロング(距離は足りませんが)も声援やガイドさんのパワーに背中を押してもらうことができて、自信もつきました。

同時に課題もたくさん見つかったので、ロングやミドルの大会にたくさん挑戦し、KONAに行けるように頑張っていきたいと思います。そして、そのためには競技を手伝ってくださるガイドさんが数名必要となります。男女問わず募集しておりますので、挑戦してみたい!という方ぜひお声かけください。

なお、私は元々医学研究者を目指していたので、鳥取大学大学院出身で、米子には7年住んで一番楽しい青春時代を過ごしました。住んでいた頃はそこでトライアスロンなんてやっていることすら知らなかったので、まさかそこを走ることになるとは人生はわからないものです。当時の指導教官も今回の完走を喜んでくださったし、自分自身もあきらめざるを得なかった夢を追っていた思い出の場所で新しい夢を叶える第一歩をここで踏み出せたことが本当にうれしかったです。夢の1日を、本当にありがとうございました。大会関係各位、地元の方々、送り出してくださったHTAの皆様に心から感謝いたします。

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